ぼくはカメレオン

  主人公は、ジャングルに暮らすカメレオンのカルロ。緑色の葉っぱ、茶色の石ころ・・・と、周りの色に合わせて体の色が変わります。ジャングルでは誰も自分に気付いてくれないと、いつもご機嫌斜め。

 ある日、いつも泥んこ色だから「明るい色になりたい」と願うカバと出会ったカルロは、願いを叶えようと桃色の果物の汁をカバの体に塗ってあげました。大喜びするカバを見たカルロは、葉っぱや木の実、花びらを搾ったりつぶしたりしながら、カラフルな絵の具屋さんをオープン!

 お望み通りの色を塗ってあげると、ジャングルは色とりどりの動物たちでいっぱいになりました。ところが、しばらくして「元の色に戻して」と大騒ぎに。動物たちに追われ崖っぷちまで追い詰められた、絶対絶命なカルロの運命やいかに-。

 ここから先は、絵本を読んでのお楽しみ。お子さんと一緒に色や模様が変わった動物の当てっこをするなど、さまざまな楽しみ方を家族で探してみてくださいね。

 自ら色を変えたり、他の色に憧れたりしながら色味を深めていく動物。ぼくの色って?私らしさって何だろう-。私たちにもそう問い掛けてくるような一冊です。

(令和元年5月19日秋田魁新報掲載)
 

 髙橋 寛光(あきたパパ絵本チーム「パパコラボ」)

2019あふれちゃんのえほんばこへ進む

対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 たしろ ちさと/作
出版社 グランまま社