童謡の名曲「ぞうさん」の歌詞に、絵本「わたしのワンピース」の作者・にしまきかやこさんが絵を描きました。普段メロディーに乗せて歌っている歌詞を詩として読むことで、言葉が一層心に響くような気がします。
小さなぞうさんは小鳥から「おはながながいのね」と話し掛けられると、うれしそうに小鳥をお母さんの元へ連れて行き「かあさんもながいのよ」と返します。「かあさんと一緒でうれしい」という気持ちが伝ってくるような、すてきな答えですね。
「だあれがすきなの」という問い掛けには、ぞうさんが「あのね かあさんがすきなのよ」と答えます。ぞうさんは、お母さんと一緒にいられることに心から満足しているのでしょう。お母さんへの信頼感が優しい言葉で紡がれ、言葉をかみ締めるたびに幸せな気持ちになります。
子どもと過ごす時は、決して穏やな気持ちでばかりはいられません。時には腹を立てることもあるでしょう。でも、そんな時こそ深呼吸して、この絵本を読んでみませんか。お母さんを真っすぐ見詰めるぞうさんが、私たちを温かい気持ちにさせてくれます。赤ちゃんはいつでもお母さんが大好きなのです。
(令和元年5月12日秋田魁新報掲載)
遠藤 美弥子(おはなしの会「おはなしの扉」)
対象年齢 | 赤ちゃんから(0歳~ ) |
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作者名等 | まどみちお/詩 にしまきかやこ/絵 |
出版社 | こぐま社 |