らっこちゃん

 　ラッコちゃんが主役の、０～２歳児向け絵本です。本の中で、らっこちゃんはすいすい、ぷかぷか、くるくると水の中を自由奔放に楽しんでいます。
　ページをめくるたびに、さまざまなオノマトペ（擬音語・擬態語）が出てきます。意味はまだ理解できなくても、赤ちゃんたちはきっと言葉のリズムを感じ取って、心地よさそうな表情を見せてくれるはず。
　絵本を読むのに慣れてきたら、お父さんのお腹の上に赤ちゃんを乗せてゆらゆらしたり、「ごしごし」「ぱくぱく」とらっこちゃんのまねっこをしたりして、触れ合いを楽しんでみましょう。
　ところで、この絵本の大きな魅力は、表紙にも描かれているらっこちゃんの愛らしさ。ふわふわと柔らかそうで、思わず触れてみたくなります。実際に読み聞かせをしていると、らっこちゃんにそーっと手をのばして触ってみる赤ちゃんもいます。　　　　　
　何にも縛られず、のびのびと自由に生きるらっこちゃんの姿は、「ありのままに生きよう」という深いメッセージを発しているように見えます。読む人を穏やかな気持ちにさせてくれる一冊です。

（平成３１年４月２１日秋田魁新報掲載）

　石坂　千雪（　鹿角市児童センター・子ども未来センター　）

2019あふれちゃんのえほんばこへ進む