いたずらおばけ

 今回ご紹介するのは、イギリスの昔話の絵本ですが、外国の昔話というと「女の子が王子様と結婚するお話」と思う人も多いのでは?ところが、このお話は全く違うのです。
 主人公は、1人暮らしで貧乏だけど、いつも陽気なおばあさん。ある日、歩いて家に帰る途中、おばあさんは道端で大きなつぼを見つけました。中身はなんと、ぎっしりの金貨でした。思いがけない幸運に驚きながら、おばあさんは重いつぼにショールを結んで、引っ張って帰ることにします
 「家を買って女王様のように暮らそう」と、楽しい想像を膨らませるおばあさんでしたが、ふと振り向くとつぼがありません。ショールに結んであるのは銀の塊。
 「金貨は夢だったのか」と思い直すおばあさん。今度は「銀を売ったら何を買おうか」と想像しながら歩きますが、しばらくして振り向くと、銀が鉄になっていました。普通ならがっかりするところですが、おばあさんは「泥棒の心配もないし鉄の方がずっといい」と上機嫌です。しばらく歩いて、また振り向いてみると…。
 
さて、家に帰り着いたおばあさんは、幸せいっぱいでした。果たして何を手に入れたのでしょうか。
 
遠藤美弥子(おはなしの会「おはなしの扉」)

「家を買って女王様のように暮らそう」と、楽しい想像を膨らませるおばあさんでしたが、ふと振り向くとつぼがありません。ショールに結んであるのは銀の塊。

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対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 瀬田 貞二/再話 和田 義三/画
出版社 福音館書店