にんじんと ごぼうと だいこん

　表紙に描かれているのは真っ赤なニンジンと、真っ黒なゴボウ、真っ白なダイコン。それを見た子どもたちは「この野菜知ってるよ！」と指さしたり、「ニンジン食べられるよ」と得意気な表情をしたりして、身近にある野菜に興味津々です。
　ところで、どうしてニンジンは赤くて、ゴボウは黒、ダイコンは白なのでしょうか？大人でもはたと考え込んでしまいそうなこの疑問に、絵本は楽しく答えてくれます。
　おいしい水をたっぷり吸い、太陽の光を浴びて畑ですくすく育つニンジンとゴボウとダイコン。畑から出たばかりのみんなは、土がついて真っ黒でした。そこで順番にお風呂に入ることにします。
　さて、熱がりでお風呂からすぐに出てしまったのはどの野菜でしょうか？ピカピカに体を洗ったのは？我慢強くお湯に漬かっていたのは？読み進めていくと「なるほど！そうだったのか」と思わせてくれます。
　お風呂に入るという日常生活に即していて、子どもにも分かりやすいお話です。力強い絵、語り口調の文章も味わいがあります。お子さんはお風呂が好きですか？どの野菜に似ていますか？親子の会話も弾みそうです。

    福本優子（秋田市岩見三内保育所）

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