ぷるんぷるん おかお

 表紙のお日さまの笑顔が、子どもたちの心を引きつけ、わくわくさせてくれます。ページをめくると、最初はお日さまがタオルで「ぷるん」と顔を拭いて、続いてりんごさん、くるまさんも顔を拭いて「ばあ~」と笑顔になりました。でもその次、ねこさんの顔を拭いてあげようとしたら、嫌がって逃げてしまいました。自分で顔を洗いたかったのでしょうか。
 最後は、黄色いベビー服を着た赤ちゃんがぷるんと顔を拭いてもらって「ばあ~」。にっこり笑顔がかわいらしいです。
 「ぷるん」「ばあ~」という擬音語には、「いないいないばあ」にも通じる遊び心が感じられます。子どもたちは絵本に合わせて「ばあ~」と何度も繰り返し遊べるでしょう。1日の始まりに、明るく優しい笑顔に出会ってみませんか。

 とよたかずひこさんの作品の魅力は、乳児期の子どもに優しい色使い、キャラクターのユーモアあふれる表情、擬音語の巧みな使い方にあると思います。読んだ人は、ほっこり温かい「とよたワールド」に包まれているような安心感を覚えるでしょう
 赤ちゃんのページで、子どもに「ぷるん、ぷるん、ばあ~」と声を掛けながら顔を拭いてあげてください。きっと機嫌もバッチリですよ。

 仁村由美子(聖霊女子短期大学付属幼稚園・保育園)

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対象年齢 赤ちゃんから(0歳~ )
作者名等 とよた かずひこ/著
出版社 アリス館