この絵本、開いてびっくり、文章がありません。書かれているのはイラストとしりとりの迷路だけ。イラストは、しりとりの道をたどっていくヒントになります。
迷路は一見簡単そうですが、やってみると意外に難易度は高く、途中でしりとりが続かず進めなくなったり、「ん」で終わってしまったりします。それでも、ゴールまでしりとりをつなげると短いストーリーになるのはさすがですね。
それでは、しりとりを少しだけ紹介します。一つ目のしりとりは「おおかみの巻」。「おおかみ」→「ミルク」(ミルクを飲もうとしたら)→「くま」(クマに横取りされてしまい)→「まさかり」(まさかりを持ってクマを追い掛けたけれど)→「りんご」(リンゴをお返しにもらって)→「ごめんね」(仲直り)と進んで「あがり」です。
二つ目は「しんでれらの巻」。「しんでれら」→「らじお」→「おどり」→「りんご」→「ごりら」→ら、ら…。あれれ?迷路を行ったり来たりしながら、即興でストーリーを組み立てるのがこの絵本の醍醐味です。
ということで、紹介はこの辺で「あがり」とさせていただきます。頭を柔らかくして、家族でしりとりの迷路を楽しんでみてください。
千葉智晴(木育パパサークル「あきた木木遊び隊」)
対象年齢 | 5歳ぐらいから |
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作者名等 | さとう わきこ/作 |
出版社 | 童心社 |