とらたとおおゆき

 降りしきる雪をじっーと眺めるトラの男の子「とらた」が主人公です。どんなことが起こるのか、表紙がワクワクを誘います。
 
とらたのおうちの周りにたくさんの雪が積もりました。屋根の雪下ろしをしてできた雪山の上をお尻で滑っていたら、お父さんがそりを作ってくれました。
 そりの運転手はとらた。「ひゅー」と勢いよく滑って交差点まで飛び跳ねていきます。「ぴーっ ストップ」とお巡りさんの笛の音。とらたのびっくりした様子やドキドキ感が絵から伝わります。おうちに帰ると、ちょっとしょげているとらたに「鈴」のプレゼントが待っていました。とらたは「サンタクロースがくれたんだ」と大喜びです。

 とらたは鈴を付けたそりを引っ張って公園に出掛けます。すると鈴の音に誘われて、たくさんの仲間がやってきて一緒にそり遊びが始まります。
 絵本は温かいタッチの絵と、一つ一つの文章が短くて読みやすくなっています。子どもたちは、とらたとそりで遊んでいるような気持ちでお話を楽しめるでしょう。とらたと一緒にメリークリスマス。
 (平成30年12月23日秋田魁新報掲載)

 仁村由美子(聖霊女子短期大学付属幼稚園・保育園)

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対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 中川 李枝子/文 中川 宗弥/絵
出版社 福音館書店