プアー

 いぬ年も残すところあとわずかだすなぁ。何かと秋田犬の話題が多かったこの1年。皆さんにとってはどんな1年だったすか?2018年に思いをはせながら読んでもらいたい1冊です。
 登場するのは犬1匹だけ。くりくりお目々の犬が「わんわん」と鳴いて、めんこいなぁと眺めていると、「プアー」という音とともに尻尾が風船のように膨らんでいくではありませんか!
   
びっくりしたのもつかの間、耳や鼻など体のあちこちが次から次へと膨らんでいきます。
 「次はどこが膨らむのかな」と好奇心いっぱいの子どもたちにクイズ形式で読んだり、子どもと一緒に「プアー」と声を出したりして読むのもお勧めですよ。また、この絵本は横だけでは収まらず、終盤には縦にも広がって…。最後まで目が離せない展開にご注目を!
     ところで、くりくりのお目々がめんこいのは犬だけじゃねえがもしれねなぁ。「プアー」としゃべっている子どもたちもだなぁ、子どもと一緒に楽しんでいる大人だべがなぁと、幸せな想像が膨らみます。
 
(平成30年12月16日秋田魁新報掲載)            

髙橋寛光(あきたパパ絵本チーム「パパコラボ」)

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対象年齢 赤ちゃんから(0歳~ )
作者名等 長 新太/作・絵  和田 誠/仕上げ
出版社 福音館書店