主人公の女の子「あさえ」が幼稚園から帰ってくると、お気に入りの人形が見当たりません。妹のあやちゃんが勝手に持って行ってしまったようです。「また、あやちゃんのいたずらだ」。あさえは怒って大声を出しました。
すると、ぐったりとしたあやちゃんをおんぶしたお母さんが部屋から出てきました。人形をあさえに渡すと、病院に行ってしまいました。あやちゃんは盲腸の手術のために入院することになってしまったのです。
部屋に残されたあさえは、お父さんが帰ってくるまでお留守番です。夕方になると友だちも帰ってしまい、外では雷が鳴って雨が降ってきました、あさえは人形を抱き締めながらベットの中で丸くなって、あやちゃんのことを心配していました。
お父さんと夕ご飯を食べている時、電話が鳴ってお母さんから手術が成功したと告げられました。けれど、あさえは気持ちがいっぱいで「うん…」としか言えませんでした。
「お見舞いに何を持って行こうかな」と考え続けたあさえが妹のために用意した物とは。折り紙、手紙、そして…。
一晩で大きな成長した、あさえの心の動きを書き上げた絵本です。絵のタッチも優しく、読んでいると心が温まります。
福本優子(秋田市岩見三内保育所)
対象年齢 | 3歳ぐらいから |
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作者名等 | 筒井 頼子/作 林 明子/絵 |
出版社 | 福音館書店 |