三つのまほうのおくりもの

 ロシアの兄弟のお話です。兄のイワンは金持ちで、弟のイワンは貧乏でした。兄はずる賢く、大きな家に住み、ぜいたくな服を着てごちそうを食べていました。一方弟はお人よし。7人の子どもはいつもおなかを空かせていました。
 困り果てた弟は、助けてもらおうと兄を訪ねます。すると兄は、おわんいっぱいの小麦粉をやるかわり100倍にして返すよう言います。さらに困ったことに、弟が家に帰る途中、小麦粉は全て風に吹き飛ばされてしまいました。
 怒った弟は風に追い着き文句を言います。すると風は、食べたい物を何でも出してくれる「魔法のテーブル掛け」をくれました。おかげで弟の家族はごちそうを食べ、幸せに眠ることができました。
 ところが弟は、このテーブル掛けを兄にだまし取られてしまいます。弟はその後、金貨を出すヤギをもらいますが、これも兄に奪われるのです。三つ目にもらった魔法の品は、どうなるのでしょう。
 作画のエロール・ル・カインは「イメージの魔術師」と呼ばれています。色彩豊かな絵を通じ、民話の世界に浸ってみてください。

三浦恵理子(秋田市寺内保育所)

▶お父さん・お母さんへの内緒話
 長い物語ですが、年長の子どもたちは皆最後までドキドキ、ハラハラ。「魔法の品を手に入れたら、どうしようか」「ずるい大人もいるんだね」などと会話も弾みます。子どもの笑顔は大人を元気にする魔法です。この絵本で子どもたちに魔法の「お返し」をしてみてはいかがでしょうか。

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対象年齢 小学校低学年ぐらいから
作者名等 ジェイムズ・リオーダン/作 エロール・ル・カイン/絵 中川 千尋/訳
出版社 ほるぷ出版