クリスマスのものがたり

 「おおかみと七ひきのこやぎ」の作者であるホフマンが描いたクリスマス物語です。 
 今から2千年余り前のこと。ユダヤの国の小さな町ナザレに、マリヤという娘がいました。ある日、マリヤの前に天使ガブリエルが現れ「あなたは男の子を産むだろう」とイエス・キリストの誕生を告げました。夫のヨセフは、身ごもったマリヤをロバに乗せて故郷ベツレヘムへ帰り、マリヤはうまやで男の子を産みました。
 一方、東の国の賢者たちは特別に輝く星を見て、世界の人々を救う神の御子が生まれると悟ります。星に導かれて幼子イエスの会った賢者たちは、イエスの誕生を王様に知られてはいけないというお告げを、天使から受けました。同じようにお告げを受けたヨセフは、マリヤとイエスを連れてエジプトに逃げ延びるのです。

金田昭三(児童文化研究家)

▶お父さん・お母さんへの内緒話
 新訳聖書の「ルカの福音書」と「マタイの福音書」を元にしたお話です。生まれたばかりのイエスが飼い葉おけで眠る姿や、羊飼いがうまやでイエスに祈りをささげる姿などが丁寧に描かれており、ここまで聖書に忠実な絵本は他にありません。クリスマスの起源について、子どもたちに伝えるのに最適な作品です。

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対象年齢 小学校低学年ぐらいから
作者名等 フェリクス・ホフマン/作 生野 幸吉/訳
出版社 福音館書店