999ひきのきょうだいのおひっこし

 この季節、池や田んぼにオタマジャクシが泳いでいます。この絵本はお父さんカエルとお母さんカエル、そして999匹のオタマジャクシの家族のほほ笑ましいお話です。
 999個の卵からかえったオタマジャクシは、元気に育って立派はカエルになりました。池が狭くなったので、みんなで大きな池に引っ越すことに決めました。
 池の外の世界は危険がいっぱいですから、お父さんとお母さんはハラハラドキドキ。それなのに子どもたちは、天敵のヘビを捕まえて運んできてしまいました。
 その様子を空から見ていたトンビが急降下して、お父さんカエルを捕まえました。連れ去られそうになったお父さんに、お母さんカエルが飛びつくと、子どもたちも次々とぶら下がります。子どもたちは無邪気に「高くて気持ちいい」と大喜びしています。
 一方、トンビは思いがけず大量のごちろうを捕まえましたが、重さに耐えきれなくなり、カエルたちを話してしまいました。さて、一家はどうなったのでしょう。結末を確かめてみてくださいね。

  解説:児玉育子(秋田市川口保育所)

▶お父さん・お母さんへの内緒話
 怖いものや危険なことを知っている親とは対照的に、子どもたちには新しい世界が新鮮に見えます。親の心情と好奇心旺盛な子どもの姿。どちらもうまく表現されていて、読み手は引き込まれます。「999ひきのきょうだい」はシリーズ化されていますので、併せて楽しんでみてください。

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対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 木村研/文 村上康成/絵
出版社 ひさかたチャイルド