すすめ！きゅうじょたい

　赤、青、黄色、緑色、だいだい色、紫色のユニフォームに身を包んだ６人の小さな救助隊が大活躍するこの絵本。子どもたちに大人気のシリーズ物の１冊です。
　救助隊は働く車に乗って出動します。ショベルカー、高所作業車、ダンプカー、ホイールローダー、クレーン車、ヘリコプター。全てそろうと壮観です。見開きのページに臨場感たっぷりに描かれていて、エンジン音が響いてきそうです。
　見どころは、木から下りれなくなった子熊や、谷間に落ちた子羊、迷子になったカメを助ける場面。簡単に救助できない状況でも「どうやって助けようか」「あーしてこーして」と力を合わせて解決していく姿は格好よく、救助隊が動物たちへの向けるまなざしが、読者を温かい気持ちにしてくれます。
　救助の様子は地上と空中の両方の視線から描かれていて、演出効果もバッチリ。一生懸命な隊員たちが愛おしくなるでしょう。小さなウサギたちが隊員を手伝う場面もあります。探して見ると楽しいですよ。
　作者の優しさがあふれるこの絵本を読むと、「明日もきっと良い日かな」と元気が湧きます。

仁村由美子（聖霊女子短大大学付属幼稚園・保育園）

▶お父さん・お母さんへの内緒話
　園児たちと出掛ける散歩道には工事現場があり、みんな目を輝かせて見入っています。働く車が大好きだったり、作業員の特徴的な動きを面白がってみたり。散歩中の発見はすてきな宝物ですね。

2016マザーズタッチ文庫へ進む