まりーちゃんのくりすます

 クリスマスが待ち遠しい「まりーちゃん」は、白い羊の「ぱたぽん」に「もうすぐクリスマスよ。私、とってもうれしいわ」と話し掛けます。そして、クリスマスは素晴らしいもので、お利口にしていればサンタクロースがプレゼントをたくさん持って来るのだと教えました。サンタクロースは夜中、誰にも見られないようにやってくるため、木の靴を暖炉のそばにおいて待たなければなりません。
 でも、ぱたぽんは言います。「私は四つの小さな黒い靴があるわ。でも、私の靴は脱ぐことができません。だから暖炉のそばにも置くことができません。サンタクロースは私にはプレゼントを置いて行かないわ」。そこで、まりーちゃんは木靴を作っているおじいさんの所へ行き、ぱたぽんの靴を作ってもらいました。
 クリスマス・イブがやってきました。まりーちゃんは暖炉のぞばに、自分の靴とぱたぽんの小さな靴を並べました。サンタクロースのプレゼントは明日の朝までに、まりーちゃんとぱたぽんの靴の中に入っているでしょうか。

金田昭三(児童文化研究家)

▶お父さん、お母さんへの内緒話 
 絵本の舞台は南フランスのプロバンス地方。柔らかいタッチで描くクリスマスの風景も見応えがあります。同じ作者の「まりーちゃんのひつじ」(岩波書店)と共に愛され、読み続けられています。

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対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 フランソワーズ/文・絵 与田 準一/訳
出版社 岩波書店