誰もが知っている童謡「どんぐりころころ」は、こんな歌詞で始まります。「どんぐりころころ どんぶりこ おいけにはまって さあたいへん」。歌詞は2番まであり、お池に落ちたどんぐりはどじょうと仲良く遊びます。やがてお山が恋しくなり、泣いてどじょうを困らせてしまいます。
この後どんぐりは、どうなったのでしょう?歌詞の続きを想像し物語にしたのが、この絵本です。
泣いているどんぐりの所にフナやザリガニ、ゲンゴロウなど池の仲間たちがやって来て、どんぐりをお山へ帰すために知恵を出し合います。みんなに助けられて池から出たどんぐりは、小さなお山にたどり着きますが、そこはカメの甲羅の上でした。リスに見つかって秘密の場所に埋められたり、タヌキに飲み込まれたりと、どんぐりのピンチは続き、読者はハラハラ、ドキドキすることでしょう。
物語は童謡のメロディーに合わせて歌えるようになっていて、歌詞は15番まであります。歌いながら、お話を楽しんでください。
鈴木千春(秋田市中央図書館明徳館)
▶お父さん・お母さんへの内緒話
童謡「どんぐりころころ」は、1921年に「かわいい唱歌」という歌集に掲載、後に教科書にも採用され親しまれてきました。どんぐりをお山へ帰してあげたいと思う人は昔からいたようで、続きの歌詞は他にも存在します。歌に結末が示されていないため、空想が膨らみ、楽しいお話ができたのかもしれませんね。
対象年齢 | 5歳ぐらいから |
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作者名等 | スギヤマ カナヨ/作・絵 |
出版社 | 赤ちゃんとママ社 |