3びきのくま

 森の中で道に迷った女の子が小さな家を見つけます。その家に住んでいたのは3匹のクマ。お父さんのミハイル・イワノビッチ、お母さんのナスターシャ・ペトローブナ、そして小さなクマの子ミシュートカです。3匹は散歩に出掛けていて留守でした。
 女の子が家の中に入っていくと、台所のテーブルの上にスープの入った大中小三つのおわんがありました。大きいのはお父さん、中くらいのはお母さん、小さいのはミシュートカのです。女の子は三つのおわんから一口ずつスープを飲んで、一番おいしいものを運びました。次に三つずつあるイスやベッドも試してみます。ところがクマたちが帰ってきてー。
 ロシアの風土を感じさせる独特な絵に、ロシア語を連想させる珍しい名前が相まって、物語の世界観がさらに広がっています。深い森やかわいらいい小さな家の様子など見どころがいっぱい。長年にわたって、たくさんの子どもたちのお気に入りになっている絵本です。

田丸美穂(県子ども読書支援センター)

▶お父さん・お母さんへの内緒話
 散歩から帰ってきて部屋が荒らされたことを知った3匹の台詞に注目してみてください。誰の言葉かにより、文字の大きさが違います。3匹それぞれの特徴に合わせて読み方を変えてみると、さらに楽しめますよ。

2016マザーズタッチ文庫へ進む

対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 トルストイ/文 バスネツォフ/絵 小笠原 豊樹/訳
出版社 福音館書店