子どもの小さな指を、電車に見立てたこの絵本。人さし指にかわいい顔が描かれ、運転手の帽子をかぶっています。行き先は本の山、椅子の鉄橋ー。電車はおうちの中で〝大冒険〟に出ます。
主人公の男の子は1歳を過ぎたころでしょうか。歩けるようになり、1人でどこまでも進んでいける楽しさと、その先に待ち受けているスリルが伝わってくるよう。次に向かう先を想像してワクワク、そこでの展開にドキドキ。子どもの好奇心の芽生えを見事に表現したストーリーに、引き込まれることでしょう。
電車はジャングルを越え、砂漠を進み、林を抜けてビルを登ります。終着点は、子どもたちが大好きな「○○駅」。答えは絵本を読んで確認してくだい。読み終えた後「ぼくも」「わたしも」と、「ゆびでんしゃ」が次々発車しそうですね。
仁村由美子(聖霊女子短期大学付属幼稚園・保育園)
▶お父さん・お母さんへの内緒話
育児は、子どもの成長の喜びを感じることができると同時に、年齢なりの接し方の難しさを感じるものです。特に、まだ目を離すのが難しい時期は、家族の苦労も大きいことでしょう。でもこの機会に、かわいい運転手さんの「ゆびでんしゃ」に付き合ってみませんか。お客さんになったり、駅になったりしてみると、「子どもって面白い」と改めて感じられるかもしれません。
対象年齢 | 赤ちゃんから(0歳~ ) |
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作者名等 | 冬野 いちこ/作・絵 |
出版社 | フレーベル館 |