ぼくのポチブルてき生活

 皆さんの一番好きなことは何ですか?読書、音楽、スポーツ…。人それぞれ、いろんな趣味がありますね。犬のポチブルは、手紙を書くことが大好きです。紙、封筒、インク、いろんな種類の羽ペン。机の引き出しの中には、必要な道具がそろっています。
 ポチブルはある日、「かぜ」からの手紙で「くじら」がとても大きいことを知りました。どのくらい大きいのか教えてほしくて「くじら」に手紙を書きました。すると、しっとり濡れた重たい手紙が届きます。そこには、こんなことが書いてありました。『まぐろだってぼくのそばにくれば、ありみたいですら。(ありをみたことないんだけど。)うみでぼくよりおおきいのは、しまぐらいですら』
 くじらは文章の終わりに「ら」を付ける癖があるようですね。マグロがアリのように思えるなんて、ポチブルはびっくり。今度は「あり」に手紙を出すことにしました。
 ポチブルに届く手紙は、読めないくらい小さかったり、文章がめちゃくちゃでどこから読んだらいいのか分からなかったりと、不思議なものばかり。誰がどんな手紙を書くのだろうと想像するとわくわくします。

  鈴木 千春(秋田市中央図書館明徳館)

▶お父さん・お母さんへの内緒話
 知りたがりのポチブルは、疑問に思ったらすぐに手紙を書いて尋ねます。手紙がどうやって届くのか謎ですが、封筒には相手に合わせた切手が貼ってあり、料金もそれぞれ違うんですよ。続編の「もりにてがみをかいたらね」「おげんきですか?ぼくのうち」もお薦めです。

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対象年齢 小学校低学年ぐらいから
作者名等 きたやま ようこ/作
出版社 偕成社