あなのはなし

 このお話の主人公は、なんと赤い靴下に開いた「あな」です。「あな」が仲間と出合い、冒険に出掛けるのです。絵本のページには本当に穴が開いている、何とも不思議な作品です。
 ある日、ぶらりと出掛けた「あな」はドーナツ、カエル、ツバメ、羊と友達になります。夜になると森の中の家でみんな一緒に眠りにつきました。
 そこに、後を追い掛けてオオカミがやってきます。みんなを次々に飲み込んだオオカミは、とうとう「あな」をぱくり。ところが「あな」がオオカミのおなかに入った途端、大変なことが起こります。
 危機から一転して解決に向かう展開は、赤ちゃんから大人までを夢中にさせることでしょう。穴の色がページごとに違っていたり、絵の中にオオカミの物語が隠れていたり。たくさんの秘密が見つかる楽しい絵本です。

  解説:遠藤美弥子(おはなしの会「おはなしの扉」)

▶お父さん・お母さんへの内緒話
 このお話は、語りのテキストとして知られる「おはなしのろうそく」(東京子ども図書館編)に収録され、長い間愛されてきました。絵本として楽しむだけでなく、文章を覚えて語ってみることをお薦めします。夜、電気を消した後も楽しめて、とても便利ですよ。

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対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 ミラン・マラリーク/作 二見正直/絵 間崎ルリ子/訳
出版社 偕成社