うんちっち

 ウサギの男の子は言葉をたった一つしか言えません。それは「うんちっち」。お母さんに「起きなさい!」と言われても、お父さんから「ほうれん草を食べなさい!」と言われても、ウサギの子は「うんちっち」としか答えません。
 そんなある日、ウサギの子はオオカミにぺろりと一口で食べられてしまいます。するとオオカミは「うんちっち」としか言えなくなり、しばらくしてお腹が痛くなりました。駆けつけたお医者さんは、何とウサギの子のお父さん。「うんちっち」と言うオオカミを見て、息子が食べられたと確信します。
 お父さんが息子を助け出し「あぁ、ぼくのだいじなうんちっち!」と叫ぶと、ウサギの子は「ぼくはシモンだよ!知ってるくせに!」なぜか自分の名前を答えられるようになっていました。
 親子は家に帰り、めでたし、めでたし…。お話が終わるかと思いきや、最後にこの絵本らしい展開が待っています。
 「うんちっち」の語感に巻き起こる笑いと急展開な物語に、子どもは夢中になるでしょう。いいじゃないですか。子供の口癖が「うんちっち」になったって。
   
  千葉 智晴 (木育パパサークル「あきた木木遊び隊」)

▶お父さん・お母さんへの内緒話
 僕が子どもたちに読み聞かせをする時は、必ずと言っていいほどこの本を最初に読みます。みんな大喜びで、数ページで笑い転げてしまうほど。大きな絵と派手な色使いは大勢に見せるのに最適です。ぜひあなた(特にパパたち!)も「うんちっち」で読み聞かせ会デビューしませんか。

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対象年齢 赤ちゃんから(0歳~ )
作者名等 ステファニー・ブレイク/作  ふしみ みさお/訳
出版社 あすなろ書房