ひまわり

 夏の花の代表といえばヒマワリ。夏の太陽と一緒に盛大に花を咲かせていますね。この絵本はヒマワリの成長を、シンプルな絵と言葉で伝えています。
 最初のページの文章は「ちいさなたねが、とん」。その後は「どんどこ」という言葉が繰り返されます。子どもの大好きな太鼓の音と同じですね。次々に変わる風景とともに、ヒマワリはどんどこと大きくなっていきます。芽が出て、葉が出て、つぼみができて、「どんどこ」のリズムが最高潮になった時、大きな花が咲きます。
 しおれてうつむいた花からは、パラパラと種が落ち、翌年また花が育ちます。種類にもよりますが、一つの花からはおよそ1500個もの種ができるそうです。繰り返し、繰り返し、花が咲いて種となり、その種が育ち、花を咲かせていく事を想像すると、何だか力が湧いてきます。一面に黄色いヒマワリが咲き誇っている様子はとっても幸せで、元気と笑顔があふれてきそうです。
 ヒマワリの成長に合わせて、読み聞かせの声も大きくしてみると、開花への期待の高まりを子どもと一緒に楽しめるでしょう。

 三浦 恵里子(秋田市寺内保育所)

▶お父さん・お母さんへの内緒話
 勤務先の保育所では今年、4歳児が牛乳パックに土を入れ、種からミニヒマワリを育てました。自分の育てた花を見る子どもたちの目はキラキラ輝いていました。夏休みは各地でたくさんのひまわりを見るチャンス。絵本の後は、ぜひ、本物の美しさを感じ、夏の思い出を作ってください。

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対象年齢 赤ちゃんから(0歳~ )
作者名等 和歌山 静子/作
出版社 福音館書店