大きなドングリの木に、カエルとアマガエル、トカゲが住んでいました。ある日その木に、たくさんの葉っぱを食べてしまう「けむくじゃら」がやってきます。旺盛な食欲を見て、カエルたちはすみかがなくなるのではと不安になります。でも交渉のおかげか、けむくじゃらが食べる葉っぱの数はだんだん減っていきました。そして1枚しか食べなかった日の翌日、けむくじゃらは姿を消し、青い羽のチョウが現れました。
ふわふわと舞うチョウを見て、カエルは空を飛びたいと考えるようになります。どうしたら飛べるのか研究した結果、(1)チョウのように大きく軽い羽を作ること (2)たくさん食べるのを禁止して、体重を軽くすること (3)羽ばたくために腕とおなかを鍛えること-が欠かせないと考えました。
カエルは早速、体力作りと羽作りを始めます。初飛行では、真下に落ちてしまいますが、足を捻挫してもなんのその。すぐに空飛ぶ研究を再開します。
失敗してもあきらめない姿が爽やかに描かれています。仲間たちが何も言えなくなるほど張り切っているカエルの姿は、大人でもうらやましくなるくらい輝いて見えます。読者は勇気づけられ、応援したくなることでしょう。
柴田 麻衣子 (横手市図書館課)
▶お父さん・お母さんへの内緒話
4月に環境が変わった子どもたちも、新生活に慣れてきたころですね。それでも感じるささいな課題や不安な心に、本がそっと寄り添ってくれることがあります。この本も、そんな力を持つ作品です。
対象年齢 | 小学校低学年ぐらいから |
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作者名等 | 村上 勉/作 |
出版社 | 偕成社 |