ぼくんちカレーライス

 「夕ご飯何がいい?」「カレーライス!」。どこのおうちでも交わされそうなやり取りですよね。
 絵本では、ママと男の子がカレーライスの材料を買いに出掛けます。商店街でたくさんの人と話すうちに、カレーライスの輪が広がっていきます。
 男の子は八百屋で会った女の子に言います。「きょう、ぼくんち、カレーライス!」。カレーライスを食べたい気持ちは、この言葉を聞いていた八百屋の店主にも伝わります。肉屋のおばちゃんも、漬物屋の店主も、男の子につられてカレーライスを食べたくなってきましたよ。
 ママがカレーライスを作り始めると、おいしそうな匂いは風に乗り、魔法のようにパパの職場に届きます。匂いはやがて街中に広がり、夜にはみんなカレーライスを「いただきます!」。
 男の子が食べたカレーライスの味は甘めかな。具だくさんだったり、スパイシーだったり、パパが作るお家もあるでしょう。いろいろなカレーライスに思いを巡らせたくなります。子どもと買い物に出る前に読むのがオススメですよ。
   
 千葉 智晴 (木育パパサークル「あきた木木遊び隊」)

▶お父さん・お母さんへの内緒話
 男の子のパパはちょっと不思議な雰囲気ですが、カレーライスの匂いをかいで早く帰りたくなるところはとても普通ですね。おいしい匂いが帰宅を早める効果にもぜひ注目を。パパたちだって明日のカレーライスより、出来立ての熱々が食べたいんです!
 

2016マザーズタッチ文庫へ進む

対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 つちだ のぶこ/作
出版社 佼成出版社