こねこのトムのおはなし

 子猫のトム、モペット、ミトンは、お母さん猫と一緒に暮らしていました。3匹の子猫はいつも元気。転げ回って遊んでいます。
 ある日、友達を呼んでお茶会を開くことにしたお母さん猫は、子猫たちの顔をごしごし拭いて、毛をブラシやくしでとかし、美しい服を着せました。そして、服を汚さないよう、後ろ足で歩くことをよくよく言い聞かせました。
 でも美しい服はとて窮屈。たちまち3匹は、転んでエプロンに草の染みを付けたり、ボタンを落としたりします。ボタンが取れた服は体から離れ、帽子も襟もエプロンも、みんな道に落ちてしまいました。
 そこに、アヒルの一行が「ぴた、ぱた、ぴたり、ぱた」とやってきます。そして、道に落ちている服を不思議そうに眺めました。
 しばらくしてお母さん猫が子猫を迎えに行くと、3匹とも裸ん坊。あのきれいな服はどこにいったのかしら?
 どうやら服の行方は、アヒルたちが知っているようですよ。手のひらサイズの愛らしい絵本を、どうぞお楽しみください。

  遠藤 美弥子 (おはなしの会「おはなしの扉」)

▶お父さん・お母さんへの内緒話
  この絵本は「ピーターラビットの絵本」シリーズの1作で、世界中で愛読されています。ウサギのピーターのほか、コブタ、カエル、ネズミ、アヒル…いろんな動物が主人公として登場します。子猫のトムは、別の本でも活躍しているので、こちらもぜひ読んでみてください。

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対象年齢 小学校低学年ぐらいから
作者名等 ビアトリクス・ポター/作・絵
出版社 福音館書店