福音館書店の月刊絵本「子どものとも年少版」の創刊号として1977年に出版されたこのお話は、今も多くの子どもたちに愛されている傑作です。
表紙のクマの子どもは、腕組みをして考え事をしています。表紙をめくると、そのクマが出掛けるために着るシャツやパンツ、帽子、靴が描かれています。読者は子グマががこの服を身に付けて、どこかへ出掛けるのだと気づきます。
ところが子グマはシャツと帽子を履き、パンツを着て、靴をかぶろうとします。この場面は、どこの保育園でも大人気。笑い転げてしまう子どもたちがたくさんいます。特に1歳児クラスでは、先生が読み聞かせを終えた途端に「もう1回」とリクエストの声が上がるそうですよ。
作者の渡辺茂男さんと大友康夫さんの名コンビの絵本は、「こんにちは」「いただきまあす」(いずれも福音館書店)なども刊行されていますので、ぜひこの機会に手に取ってみてください。
解説:金田昭三(児童文化研究家)
▶お父さん・お母さんへの内緒話
子グマがやっとのことでシャツを着て、パンツを履き、帽子をかぶり、靴も履いて出掛けた先は、絵本の裏表紙の砂場です。帽子を砂の上に置き、脱いだ靴の中に砂を入れて遊んでいます。何だかとても楽しそうですよ。「こんなことをしたら先生に叱られるぞ」と思う子もいるかもしれませんが、この場面こそ、親子で楽しんでもらいたいと願っています。
【2016年 マザーズタッチ文庫】
対象年齢 | 赤ちゃんから(0歳~ ) |
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作者名等 | わたなべしげお/文 おおともやすお/絵 |
出版社 | 福音館書店 |