はじめてのかり

 表紙にライオンの家族が描かれています。家族を守り、自分の縄張り見張っている父親のライオンです。その横では母親ライオンが昼寝をしています。そしてこの両親に育てられている3匹のかわいい子どものライオンも描かれています。物語はこの家族を中心に展開していきます。
 3匹の子ライオンは遊び飽きて、初めての狩りに出掛けました。サイ、スイギュウ、シマウマなどが目の前を通り過ぎていきます。インパラを追い掛けるチーター、ハイエナ、ハゲワシの群れなどもいます。夜はヒョウが黄色い目を光らせて獲物を狙っています。
 さて、子ライオンたちはどのようにして獲物を手に入れるのでしょう。果たして初めての狩りは成功するのでしょうか。
 横長の広い画面に色鉛筆で描かれた絵は迫力満点。見返しのページにもアフリカの動物たちの生活が描かれています。どの動物も今にも飛び掛かりそうな勢いで、読者に迫ってきます。動物物語の傑作です。

  解説:金田昭三(児童文化研究家)
 
▶お父さん・お母さんへの内緒話
 今回登場した子ライオンの物語はシリーズ化され、その成長の様子を追い続けることができます。ほかに「かりのけいこ」「かんちがい」「ありづか」などが刊行されています。作者は毎年アフリカに行き、動物たちの生態をじかに見ながらこの絵本シリーズを書き上げたそうですよ。
 【2015年 マザーズタッチ文庫】
 

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対象年齢 小学校低学年ぐらいから
作者名等 吉田遠志/絵・文
出版社 リブリオ出版