主人公の女の子「もみちゃん」や動物たちの絵は、どこかで見たことがありますね。「ぐりとぐら」の作者2人による絵本です。「ちらら ほらら ひらら はらら」。雪の降る様子を表すすてきな言葉でお話が始まります。
そり遊びに出掛けたもみちゃんの所に動物たちがやって来て一緒に遊び始めました。みんなで小さなそりに乗って山を滑り降りていたら、こぶやカーブで1匹ずつ落ちて雪の上を転がりだしました。
もみちゃんがやっと止まると、見たことのない雪だるまが並んでいます。「この ゆきだるま だーれ?」。雪だるまに目を凝らし「うさぎだ」「りすだ」と当てっこするのも楽しいですね。
もみちゃんたちの「あー おもしろかった」「あー つめたかった」という素直な言葉から、雪でたくさん遊んだときの気持ちが伝わってきます。そりに乗るのも、転がるのも、雪だるまになるのも、とても楽しかったに違いありません。
冬の外遊びが暖かく感じられるのは、優しい色の絵だからでしょうか。言葉遣いがリズミカルだからでしょうか。小さな絵本がすてきな冬を届けてくれます。
解説:佐藤智子(秋田市立新屋図書館「おはなしのしずく」)
▶お父さん・お母さんへの内緒話
小さいころ、冷たい空気や雪に触れた感覚は強く体に残ります。雪が身近にある秋田の子どもたちはとても幸せですね。残り少ない冬を存分に味わいましょう。
【2015年 マザーズタッチ文庫】
対象年齢 | 3歳ぐらいから |
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作者名等 | 岸田衿子/文 山脇百合子/絵 |
出版社 | 福音館書店 |