「たまごのなかで、かくれんぼしているあかちゃんはだあれ? でておいでよ」という呼び掛けに従ってページをめくると、「ぴっぴっぴっこんにちは」。鳴き声とともに赤ちゃんが誕生します。
直接的に「この卵から生まれるのは誰でしょう?」と語り掛けるのではなく、工夫を凝らしたテンポの良い語り口が、子どもたちを引き付けます。卵の中で隠れんぼしているという発想と、動物たちの元気な表情も魅力的です。
ニワトリよりもずっと大きな卵や、小さなたくさんの卵なども登場します。どんな動物の赤ちゃんが生まれるのかを想像すると、ワクワクして早く次のページをめくりたくなります。
ヘビやワニも卵から生まれると気付くことができますね。卵の数とふ化した赤ちゃんの数を比べてみるのも、面白いですよ。読み度に新しい発見があり、楽しみ方も広がっていくことでしょう。
解説:児玉育子(秋田市川口保育所)
▶お父さん・お母さんへの内緒話
保育所でこの絵本を読み聞かせをすると、赤ちゃんクラスの子どもは「でておいでよ」という呼び掛けに合わせて手招きしたり、「こんにちは」に合わせておじぎをしたり。言葉を話すようになると、保育士の言葉をまねたり、次に出てくる動物の名前を言い当てたりと、楽しみ方が変わってきます。4,5歳児に「ほかに卵で生まれるのは?」と質問すると、図鑑で調べ始める子がいます。幅広い年齢で楽しめる一冊です。
【2015年 マザーズタッチ文庫】
対象年齢 | 赤ちゃんから(0歳~ ) |
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作者名等 | かんざわとしこ/文 やぎゅうげんいちろう/え |
出版社 | 福音館書店 |