はたらきもののじょせつしゃけいてぃー

　作者は米国で絵本の黄金時代を築いた作家の一人。「ちいさいおうち」「いたずらきかんしゃちゅうちゅう」などは日本でも出版され、半世紀にわたり親しまれています。雪が多い今の時期にお薦めの一冊を紹介します。
　けいてぃーは、とても強くて大きなトラクター。夏はブルドーザーとして道を直します。難しく力がいる仕事ほど、うれしくなるのです。そして冬になると、除雪の仕事が始まります。
　街に雪が降り始め、仲間のトラックがどんどん出動していきました。けいてぃーにも、ハート形のすてきな除雪機が付けられました。じっと出動を待っていると、どんどん降る雪で街はすっぽりと覆われてしまいました。
　ほかの雪かきトラックが動けなくなる中、けいてぃーはゆっくり、じっくり雪をかき分けていきます。少し疲れても止まることなく、街のみんなを助けるけいてぃー。読者はそのひたむきな姿にすっかり心を奪われてしまいます。繊細な挿絵と文章が見事にマッチし、物語の背景をより深く伝えます。

　　解説：佐々木禎子（秋田市中央図書館明徳館）
　
▶お父さん・お母さんへの内緒話
　描かれたのは作者が実際に住んでいた地域。作者は雪の日に除雪車を追い掛け、街中を歩き回ったそうです。臨場感あふれる作品から創作に真剣に取り組む姿が感じられます。
 【2015年　マザーズタッチ文庫】
 

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