おめでとうのおふろやさん

 表紙のイラストを見ただけでもほっこり幸せな気分になる「ぽかぽかおふろ」シリーズの紹介です。大きな「お父さんお風呂」と小さな「子どもお風呂」の「お風呂の親子」が、きょうもいい湯加減でお客さんを待っています。
 初めにやって来たのはカメさんご夫婦。卵を抱えて子ガメたちを連れて来てみんなでお風呂に入っていると、温まった卵から赤ちゃんが生まれました。一家が湯気を立てながら帰っていくと、続いてニワトリご夫婦が、卵とひよこたちとやって来ました。そしてまた、お風呂の中で赤ちゃんが生まれます。同じ場面が繰り返して描かれていて、子どもは安心してお話の世界に浸ることができます。
 イラストは黄色、水色、黄緑色を基調とした明るい色使い。赤ちゃんが生まれる場面は家族みんなの「おめでとう」という喜びであふれ、それぞれの家族が帰っていく場面では楽しいおしゃべりが聞こえてきそうです。
 みんなが帰った後、お風呂の親子は「楽しい一日だったね」と笑い合います。最後まで温かい絵本です。

  解説:仁村由美子(聖霊女子短期大学付属幼稚園・保育園)
 
▶お父さん・お母さんへの内緒話
 心がホッとする入浴タイムが、大事なコミュニケーションの場になっている家庭も多いと思います。湯舟に漬かりながらのおしゃべりはもちろん、浴室での歌や手遊びは声にエコーがかかったように聞こえて楽しいですね。お風呂での一家団らんを、絵本のお風呂親子も願っていることでしょう。
  【2015年 マザーズタッチ文庫】
 

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対象年齢 赤ちゃんから(0歳~ )
作者名等 とよたかずひこ/作・絵
出版社 ひさかたチャイルド