アンガスとあひる

 アンガスは知りたがりの犬です。庭の生け垣の向こうから聞こえる「ガー、ガー、ゲーック、ガー」という音が気になって仕方ありません。でもアンガスの首には革ひもが付けられ、自由が利きませんでした。
 ある日アンガスは、表へ出るドアが開けっ放しになっているのを見つけました。しかも首の革ひもも外れています。アンガスは外へ飛び出し、垣根にもぐり込んで向こう側に出ました。
 そこにいたのは2羽のアヒル。「ガー、ガー、ゲーック、ガー」と歩いてきます。あのやかましい鳴き声の正体は、アヒルだったのです。アンガスはアヒルに向かってうなりました。「ウーウーウーウーワン!」。アヒルたちは大騒ぎで逃げ回っていましたが、しばらくすると向き直って「シーシーシーシーシュ!」と反撃を始めます。今度はアンガスが逃げなければなりませんでした。
 物語は起承転結が明快で、子どもの心をぐんぐん引き付けます。アンガスとアヒルも表情豊か。入園前後の子どもにぴったりです。

  解説:金田昭三(児童文化研究家)
 
▶お父さん・お母さんへの内緒話
 絵本は白黒の絵とカラーの絵が交互に登場する、ユニークなつくりです。アンガスを主人公にした絵本はシリーズ化されており、ほかに「アンガスとねこ」「まいごのアンガス」があります。
 【2015年 マザーズタッチ文庫】
 

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対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 マージョリー・フラック/作 瀬田貞二
出版社 福音館書店