初雪の便りが届く季節になると、食卓には、お鍋料理やお芋、リンゴ、ミカンなどのおいしいものがたくさん登場します。ところで森の動物たちは、何を食べているのでしょう。
今回の絵本のテーマは「食べた物」。残された殻や食べ残しを見て、食べた本人を探す内容は、なぞなぞのようです。
例えばクルミ。殻に小さな穴が開いていたら、それはネズミが食べた跡です。殻が二つに割れていたら、食べたのはリスです。
枝についたままの柿をかじったのはムササビ。小鳥や虫などほかの生き物を食べた動物もいます。
野生動物がえさを食べる姿を実際に見ることは、なかなかできません。でも残された殻や羽毛や骨は、そこで起こったことを教えてくれます。食べること、生きることは、他の動物の命を絶つことでもあります。そのことを伝えるのは難しいですが、事実をありのままに描いたこの絵本はきっと役に立つと思います。
解説:遠藤美弥子(おはなしの会「おはなしの扉」)
▶お父さん・お母さんへの内緒話
子どもと一緒に森を散歩してみませんか。動物のふんや食べ残しを見つけて、誰が何を食べたのかを推理するゲームに挑戦してみてはいかがでしょう。食べることや生きること、命を考えるきっかけになってくれたらいいですね。
【2015年 マザーズタッチ文庫】
対象年齢 | 5歳ぐらいから |
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作者名等 | 薮内正幸/作 |
出版社 | 童心社 |