あなたはだあれ

 今回紹介するのは、松谷みよ子さんの「あかちゃんの本」シリーズの1冊です。このシリーズは「いないいないばあ」「もうねんね」など珠玉の作品ばかり。この絵本も小さな子どもたちが「もう一回、もう一回」と読み聞かせをおねだりしてくることの多い名作です。
 子どもが「どんどん橋」のたもとで待っていると、イヌが来て、子ヤギが来て、カエルが来て、車もやってきます。
 新しい仲間が登場する度に、子どもは「あなたはだあれ」と問い掛け、やってきた仲間は「ワンワン」「メエメエ」「ブッブー」などの擬声語や擬音語で答えます。
 小さい子は、「だあれ」という問い掛けの繰り返しや、擬声語、擬音語が大好き。1歳半前後の子どもがよく使う言葉でもあります。この絵本は、乳幼児の発達を考えた上で作られているのです。
 最後は、みんなで車に乗ってドライブ。楽しい旅になりそうな余韻を残し、お話は幕を閉じます。

  解説:金田昭三(児童文化研究家)
 
▶お父さん・お母さんへの内緒話
 子どもが大好きな繰り返し言葉は、「ワンワン」「ニャンニャン」などの擬声語のほかに、「ブッブー」「トントン」のような擬音語、「ぴょんぴょん」「きらきら」のような擬態語もあります。「うんとこしょ、どっこいしょ」などの掛け声も楽しいですね。乳幼児向けの絵本を選ぶ際には、こうした言葉が使われた作品に注目してみてはいかがでしょうか。

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対象年齢 赤ちゃんから(0歳~ )
作者名等 松谷みよ子/文 瀬川康男/絵
出版社 童心社