ほんとうのことをいってもいいの?

 「うそつきは泥棒の始まり」ということわざがあります。平気でうそをつくようになると、盗みも平気するようになるという意味ですね。大人は「うそをついてはいけない」と子どもに言い聞かせて育てます。
 主人公のリビーは、友達の家に早く遊びに行きたくて、飼っている馬のえさやりを後回しにしたのに「やった」とうそをつきました。出掛けようとしたところでママにうそを見抜かれ叱られます。
 「これからは、本当のことだけを言おう」と決心したリビーは、友達のミスや秘密などを大勢の前で正直に話しました。すると友達はリビーと口を聞いてくれなくなり、のけ者にされるようになりました。
 悩むリビーにママは、本当のことを言うときはどうするべきなのかを教えました。そんな時、大事にかわいがっている馬をよぼよぼだと笑われたリビーは、とても悲しい気持ちになり、ママの真意に気付きます。「うそはいけない」は「本当のことを全て言うのが正しい」ではないと分かります。

  解説:児玉育子(秋田市川口保育所)

▶お父さん・お母さんへの内緒話
 誰かに「本当のこと」を言われて嫌な思いや悲しい思いをした経験はありませんか?反対に「自分は正しい」と思って話した言葉で誰かを傷つけてしまった人もいるかもしれませんね。伝え方について考える機会を与えてくれるこの絵本は、小中高生や大人にも読んでもらいたい一冊です。

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対象年齢 小学校低学年ぐらいから
作者名等 パトリシア・C・マキサック/文 ジゼル・ポター/絵 ふくもとゆきこ/訳
出版社 BL出版