おでかけのまえに

　日曜日です。あやこは目を覚ますとベットから跳び起きて窓のカーテンを開けました。天気は晴れ。窓にぶら下がっているてるてる坊主も笑っています。今日はピクニックに行く日。もう、あやこは待ちきれません。
　台所に行くと、テーブルの上にごちそうがいっぱい並んでいます。あやこはお母さんのお手伝いを考え付き、重箱に自分なりにごちそうを詰めてみました。「まあ」と、お母さんはびっくりです。
　お父さんはひげをそっています。おやこは、お父さんがピクニックに持っていくバッグのチャックが、開いたままになっているのを見つけました。チャックを締めてあげようとしましたが、ひもが邪魔でうまくいきません。あやこはひもを引っ張ってみました。「お父さん、バックがぱんくしちゃった」とあやこが言うと「おやおや」とお父さんは言いました。
　ピクニックに出掛ける前に、あやこは何とたくさんのいたずらをしたことでしょう。どこの家の小さな子もしでかしそうなほほ笑ましい失敗と、両親の温かい応対が楽しい絵で描かれています。

　　解説：金田昭三（児童文化研究家）
　
▶お父さん・お母さんへの内緒話
　筒井頼子さんと林明子さんは、「はじめてのおつかい」「おいていかないで」「とん　ことり」（いずれも福音館書店）など、子どもに喜ばれる絵本を何冊も手掛けてきた名コンビです。今回紹介した「おでかけのまえに」は、「Ｂｅｆｏｒｅ　Ｔｈｅ　Ｐｉｃｎｉｃ」のタイトルで英文にも翻訳、出版されています。

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