表紙に描かれているのは、赤くておいしそうなトマトです。絵本を開くと、片側のページいっぱいに、さまざまな野菜がみずみずしく描かれています。そして反対側のページには詩のような短い愛らしい文章が並びます。
野菜をよくよく眺めていると、なんだか笑っているように見えてきませんか。涼しそうな緑の服にキラキラビーズを付けた「きゅうりさん」。ゆりかごの中にいる「ぐりんぴーすさん」は、外へ飛び出したそうです。帽子をかぶった「なすびさん」も、尻尾のある「らでぃっしゅさん」も、うれしくてたまらない様子。野菜たちは、この世に生まれ、大好きな自分でいられることが一番の喜びだと語ります。
文を書いたまどみちおさんは、童謡「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」の作詞で有名です。まどさんのやさしくてリズミカルな文章と、斉藤恭久さんの輝くような野菜の絵を隅々まで楽しんでください。どのページにも、野菜のそばに小さな虫たちが描かれています。虫を探しながら読み進めるのも面白いですね。
解説:遠藤美弥子(おはなしの会「おはなしの扉」)
▶お父さん・お母さんへの内緒話
子どもたちが、毎日の生活を輝かしいものだと感じるのは、とても大切なことです。その子どもを見守る大人たちにぜひ読んでもらいたい一冊です。自らの子ども時代を思い出し、幸せな気持ちになれるかもしれませんよ。
対象年齢 | 3歳ぐらいから |
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作者名等 | まどみちお/文 斉藤恭久/絵 |
出版社 | 至光社 |