にゃーご

 主人公は3匹の子ネズミ。まだ小さい3匹は、天敵である猫の恐ろしさを知りません。先生の注意も聞かずに遊びに出掛けたその時、目の前に大きな猫が「にゃーご」と現れました。
 子ネズミの危機かと思いきや、恐れを知らない3匹は「おじさん、だあれ?」と、元気よく聞きました。この展開は猫にとっても予想外。思わず「だ、だ、だれって…たまだ」と答えてしまいます。
 3匹は桃狩りに一緒に行こうと猫を誘います。猫は桃を食べた後、子ネズミも食べてしまおうと計画し、張り切って出掛けました。
 その時が来て、猫は子ネズミたちに襲い掛かろうとします。絵本の見開きいっぱいに描かれたのは、「にゃーご」と叫ぶ猫の怖い顔。ところが次の瞬間、子ネズミたちは「にゃーご」と元気よく返事をしました。3匹はどうやら「にゃーご」が「こんにちは」とか「さようなら」のあいさつだと思っているようです。
 さらに子ネズミたちは、猫の子どもにお土産の桃をプレゼント。おかげで猫は怖い部分を見せずじまい。「また行こうね」と約束までしてしまいました。無邪気な子ネズミたちと優しい猫のユーモアあふれる、心温まるお話です。

  解説:児玉育子(秋田市川口保育所)

▶お父さん・お母さんへの内緒話
 宮西達也さんの代表作に「おまえうまそうだな」という絵本があります。横暴で自分勝手なティラノサウルスが無邪気な赤ちゃん恐竜に出会い、愛情が芽生えるお話です。この絵本もぜひ読んでみてください。

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対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 宮西達也/作・絵
出版社 すずき出版