ふしぎなボジャビのき アフリカのむかしばなし

 アフリカの平原は長い間雨が降らず、草も木も枯れ果て、地面はカチカチになっていました。生き物たちは喉がカラカラ。何か食べるものはないか、とさまよっていると、平原の近くにたくさんの赤い実を付けた1本の木を見つけました。メロンのように大きい赤い実は、マンゴーのような甘い香りを放ち、ザクロのようにみずみずしく、とってもおいしそうです。
 ところがその木には、見たこともないような大きな大きなヘビがいるではありませんか。長くて太い体を、木の根元から枝まで6回も巻きつけています。平原の生き物たちが、ヘビにどいてほしいとお願いすると、ヘビはこの木の名前を答えなければどかないと言いました。
 木の名前を知らない生き物たちは、サバンナの王様ライオンを訪ねることにしました。メンバーは、足の速さが自慢のシマウマ、おしゃべり好きなサル、物を覚えるのが得意なゾウ、ゆっくりじっくり動くカメ。さてライオンから木の名前を聞き出し、ヘビに伝え、あのおいしそうな実を食べることができるのでしょうか? 
 
  解説:佐々木禎子(秋田市中央図書館明徳館)
 
▶お父さん・お母さんへの内緒話
 同じ文章が繰り返し登場するこの絵本。作者のダイアン・ホフマイア-さんは、ムビラというアフリカの楽器を奏でながら語っているそうです。音楽やリズムに合わせて読み聞かせをしてみるのも楽しそうですね。

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対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 ダイアン・ホフマイア-/再話 ピート・フロブラー/絵 さくまゆみこ/訳
出版社 光村教育図書