昔々のお話です。お寺の小僧さんが山にヒガンバナを摘みに行くことになりました。何かあった時のためにと、小僧さんは願いをかなえてくれる3枚のお札を和尚さんからもらいました。さて、山の中で日が暮れて困った小僧さんは、白髪のおばばの家に泊めてもらうことにします。ところが夜になると、そこは、やまんばの家だと分かります。
家から逃げようと小僧さんは、便所に行かせてくれるようにやまんばにお願いします。しかし、やまんばに縄で縛られたまま便所に連れて行かれ、逃げられません。そこで、小僧さんはこっそり縄をほどき、便所の柱にお札を縄で巻き付けます。そして、お札に自分の代わりに返事をしてくれるようにお願いして逃げ出します。「こぞう、こぞう。しょんべんでたか」「まあだまだ。おしっこちょろちょろでてるとこ」。やまんばとお札がやり取りする場面から、小僧さんがやまんばから逃げるドキドキの展開が続きます。物語の最後は和尚さんとやまんばの最終決戦。さてどうなることでしょう。
絵を担当した大島さん独特の画風により、恐ろしいやまんばもユーモラスに感じられます。
柴田麻衣子(横手市図書館課)
対象年齢 | 5歳ぐらいから |
---|---|
作者名等 | 石崎 洋司/文 大島 妙子/絵 |
出版社 | 講談社 |