嗅覚や味覚など人間の感覚をテーマとしたシリーズの一つで、この絵本では聴覚・音にスポットが当てられています。文字が一切なく絵だけで表現されているはずなのに、なぜか音っこが聞こえてくるから不思議。
たしろちさとさんと原案・編集の田中尚人さんは、何度も絵に耳を近づけて「聞こえる?」と確認し合いながら絵本づくりを進めていったそうです。
では、男の子とお猿さんとどんな音っこが聞こえてくるか耳を澄ませてみましょう。目覚まし時計が鳴って飛び起きるお猿さんとまだまだ夢の中にいる男の子。太鼓やラッパで遊んだり、水道の蛇口をひねって手を洗ったりする場面も。雨の日にかっぱと長靴、傘をさして散歩に出掛ける男の子からは、皆さんも経験したことがある音が聞こえてきます。
文字がなくても聞こえてくるたくさんの音。そこにあるのは普段の生活や思い出の中にある音なのかもしれませんね。
赤ちゃんと一緒に声を出すなど、子どもの年齢に合わせた楽しみ方をたくさん見つけてみてくださいね。私の音とあなたの音、パパママやじぃじばぁばの音とお子さんやお孫さんの音。さてさて、皆さんにはどんな音が聴こえてくるでしょうか?
高橋寛光(あきたパパ絵本チーム「パパコラボ」)
対象年齢 | 赤ちゃんから(0歳~ ) |
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作者名等 | たしろ ちさと /絵 |
出版社 | グランまま社 |