幼い子どもたちが喜んで見る知識の絵本の中には、果物のお話もあって、その代表的なものが、イチゴやバナナ、リンゴ、ブドウです。
作者の平山さんは、子どもたちが「果物がどのように育って、どのようにしておいしくなるのかをきっと知りたがっている」と考えました。木になる果物ではなく畑に植えられ、子どもたちの目の前で、赤くおいしくなっていくイチゴの成長過程を、分かりやすく楽しい絵本にして描いてくれました。
イチゴは畑で成長しますが、最初は赤茶けた葉ばかりで赤い実は一つもありません。冬には雪に埋もれてしまうこともあります。暖かくなると、葉は緑が濃くなり、小さなイチゴのつぼみができます。もっと暖かくなると、つぼみが開いてイチゴの白い花が咲きます。花が散ると、ようやく実がなって、毎日少しずつ大きくなっていきます。でも、実が緑色の間は大きくなっても酸っぱくて食べられません。実が日ごとに赤くなり、とうとう真っ赤になると、食べられるようになりました。ごちそうさま。
この絵本のほかにも、平山さんが書いた「やさい」(福音館書店)も楽しい絵本ですよ。
金田昭三(児童文化研究家)
対象年齢 | 赤ちゃんから(0歳~ ) |
---|---|
作者名等 | 平山 和子/作 |
出版社 | 福音館書店 |