きいろいのは ちょうちょ

 虫取り網を持った子どもが、野原へチョウチョを取りに出掛けます。
 「あっ、ちょうちょがいる。」と網を振り下ろすと、チョウチョの形に開いた穴の向こうに見えたものは黄の花で、子どもはがっかり。チョウチョの形の穴は左のページで豚の鼻になって収まっています。
   「高い木にちょうちょが止まっている。」と網を持ち上げると、チョウチョの穴の向こうに見えたものは、黄の木の実で、子どもはまたがっかり。チョウチョの穴は左のページへ移って、きれいな木の花に変化しています 
  読者はページをめくりながら、この主人公の子どもと一緒にチョウチョを追いかけて、あっと言う間に読み終わってしまうことでしょう 
   この絵本は、「とうさん まいご」、「まどから おくりもの」(いずれも偕成社)という五味太郎さんの仕掛け絵本の3部作となっていて、どの絵本も面白い仕掛けで満ちています。
   また、五味さんはたくさんのことば遊びの絵本も書かれていて、「ことばのあいうえお」(岩崎書店)や、「あかのほん」(復刊ドットコム)などがあります。                                          

金田昭三(児童文化研究家)

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対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 五味 太郎/作・絵
出版社 偕成社