最初のページには、赤くて丸いシルエットと「これなあに」という問い掛けがあります。「何かなあ」と考えながらページをめくると、「ほうら、まるくておいしいよ」。描かれていたのはチョコレートケーキです。
次に現れたのは黄色い丸が八つ。これはビスケットとクッキーです。ほかに納豆やお魚、ソーセージなどいろいろな具が入ったのり巻きも登場します。「これ食べよう」「次はこれ」とイメージを膨らませると、空想の世界でおなかがいっぱいになりそう。
レモンやグレープフルーツが描かれたページで食べるまねをしながら酸っぱい顔をしたり、スイカのページで種を出すしぐさをしたり。楽しく読み進めることができます。スイカのシルエットは絵本からはみ出ているので、とても大きな丸であることが伝わってきますね。
解説:児玉育子(秋田市川口保育所)
▶お父さん・お母さんへの内緒話
勤め先の保育所で「顔を描いてみましょう」と言うと、たいていの子どもは輪郭を画用紙の中に収めて描きます。でも中には、画用紙全体を顔と捉え、目、鼻、口、眉毛だけを描いてくれた子どもがいて、「なるほど」と感心しました。柔軟な考え方を大切にしていきたいですね。
シルエットからさまざまなおいしい物を想像していくこの絵本は、子どもたちの柔軟な発想を感じる機会になるかもしれません。丸い物のほかに三角や四角も探して、子どもと一緒に描いてみるのも楽しいですね。
対象年齢 | 赤ちゃんから(0歳~ ) |
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作者名等 | こにしえいこ/さく |
出版社 | 福音館書店 |