赤い自動車“よんまるさん”は古びた車です。ガラガラうるさいエンジン、風で外れそうになるボンネット。雨漏りもするし、大きな穴まで空いています。ボロボロのよんまるさんですが、持ち主の農家の若い夫婦はこの車が大好きです。
なぜなら、よんまるさんはどんなでこぼこ道でも、泥んこ道でも走ってくれるからです。頑丈なエンジンの音を響かせながら走るよんまるさんは、とても頼もしい車なのです。
けれども、夫婦に赤ちゃんが生まれると、赤ちゃんが座る椅子のついた新しい車がやってきます。椅子が二つだけのよんまるさんの仕事は、畑の隅でスコップやくわを預かることに…。それどころか、ある日、知らない人がやって来て農場から連れ出されてしまいます。よんまるさんは一体どうなってしまうのでしょう。
色鮮やかで見やすい絵は、小さな子どもでも親しみやすいです。斜面の高低差が感じられ、細かな描写からはいろいろな発見を楽しめます。
たくさんの人たちに大事にされ愛されたよんまるさんのお話。最後は、よんまるさんが幸せに笑っているように見えますよ。
田丸美穂(県子ども読書支援センター)
対象年齢 | 3歳ぐらいから |
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作者名等 | 堀川 真/作 |
出版社 | 福音館書店 |