バナナのはなし

 今日の主役は甘くて、柔らかくて、皮をむきやすい果物のバナナです。
 大好き、と思った方に伺いましょう。バナナの花を見たことありますか?実は皮をむく時に必ず見ています。バナナの先っぽの黒いしっぽのようなものが、枯れた花なのです。
   花は「ほう」という特別な形の葉に守られ、ほうが落ちると房が現れます。最初は、バナナの実は真っすぐで、白い花は下を向いています。実がふっくらしてくると、上に向かって反りかえり始めます。曲がった形になると、おなじみの房の形になったバナナの出来上がりです。
 暑い国からはるばるやって来たバナナは、皮が緑から黄に変わり、やがて黒いぽつぽつが現れると、ようやく食べられます。
 皮をむいてぱくっと食べたら、白い実を眺めてみてください。黒い点が見えますね。実はこれは種の名残です。この黒い点を地面にまいても芽は出ません。種があると食べにくいので、種のない実が作られたのです。
 
おいしいバナナを食べながら、絵本を読んでバナナをもっと好きになってください。あ、食べ終わってもすぐにバナナの皮を捨てないで。皮を使ったバナナレターを作る方法も書いてありますよ。
 
遠藤美弥子(おはなしの会「おはなしの扉」)

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対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 伊沢 尚子/文 及川 賢治/絵
出版社 福音館書店