「へぇ」と言われておならのことだと分かるのは東北の人でしょうか。絵本は、夜中の暗闇で発生したおなら事件を解決しようとする東北なまりの鬼の子どもたちをコミカルに描いています。
丸顔で末っ子の青鬼、三角顔で次男の黄鬼、四角顔で長男の赤鬼と個性豊かな3兄弟。会話は、3兄弟の色で文字を表記していて、兄弟のやり取りから場面を想像する楽しさが生まれるでしょう。
何と言っても暗い中で「誰がへぇをしたのか」が大きな事件なのですが、みんなが自分じゃないというものだからややこしい。
見えないおならの臭いを想像させてしまうような表現はお見事。「ぷ~う」と表現された音からはイメージが伝わってきます。
犯人が分からないまま夜が明けたころ、「へぇ」が大きな音と共に一発!これには3兄弟も「鼻が曲がる」「息ができねえ」「目にしみる」と我慢ならない様子。その時「ちぃせいことは気にすんな」と聞き覚えのある声がします。
そこで読んでいる子どもたちも「へぇ」の犯人が分かるでしょう。コミカルな鬼の世界を親子で味わってみてはいかがですか。
仁村由美子(聖霊女子短期大学付属幼稚園・保育園)
対象年齢 | 3歳ぐらいから |
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作者名等 | 平田 昌広/作 野村 たかあき/絵 |
出版社 | くもん出版 |