クリスマス前日、絵本のオオカミはおなかぺこぺこで登場します。クリスマスツリーやリースを飾り付けている12匹の子ブタたちを見つけて、もう待ちきれません。一度に12匹をさらっていこうとしました。
オオカミはツリーを倒して暴れましたが、ツリーにつまずいて大けがをしてしまいます。おなかいっぱいになるはずが子ブタに看病してもらうことになりました。
諦めきれないオオカミは「食べてやる」と叫びます。ところが、大きな口に包帯を巻かれていたので、子ブタには「ううー」としか聞こえません。そんなオオカミを見て「すごく痛いんだね、大丈夫だよ」と優しく看病する子ブタたち。繰り返す思いの擦れ違いがストーリーの面白さになっています。
クリスマス当日、オオカミの姿は見えません。子ブタの温かい言葉と贈り物に心が動いたのでしょうか。
子ブタの思いやりに涙を流すオオカミの様子が心に染みます。気のいいオオカミと優しい子ブタに出会える絵本からは、クリスマスの喜びが伝わってきそうです。
仁村由美子(聖霊女子短期大学付属幼稚園・保育園)
対象年齢 | 3歳ぐらいから |
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作者名等 | みやにし たつや/作・絵 |
出版社 | 女子パウロ会 |