むかし、農家の若いだんなさんとおかみさんが、小さな家に住んでいました。だんなさんは畑を耕し、おかみさんは家の仕事をして暮らしていました。ある日、疲れて帰宅しただんなさんは、おかみさんに「おまえは、ずいぶん楽な暮らしをしているもんだ。住み心地のいい家に、日がな一日いられるんだから」と言ったのです。それを聞いたおかみさんは「あすから仕事を取り換えよう」と提案します。
そして次の日、おかみさんは農具を担いで畑に向かい、だんなさんは家の仕事にとりかかりました。鼻歌交じりに掃除を始めたまでは良かったものの、パンケーキを焼こうとして失敗したり、リンゴ酒をたるからこぼしたり、慣れない家事にあわててばかり。牛に餌をやるのを忘れたことに気付いただんなさんは、ある方法を思いつきますが…。畑から帰ってきたおかみさんの目に飛び込んできたのは、とんでもない光景でした。
外の仕事を着々とこなすおかみさんと、失敗しながらも家の中で奮闘するだんなさんの姿がほのぼのとした挿絵で描かれています。最後は温かい気持ちになれるノルウェーの昔話です。
金森靖子(秋田市立中央図書館明徳館)
対象年齢 | 小学校低学年ぐらいから |
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作者名等 | ウィリアム・ウィースナー/絵 秋野 翔一郎/訳 |
出版社 | 童話館出版 |