ピン・ポン・バス

 物語に出てくるバスは駅前からお客さんを乗せて出発します。ピンポン。最初に止まったのはスーパーマーケット。買い物帰りの人がたくさん乗りました。晩御飯は何でしょうね。
 ピンポン。次は学校です。子どもたちが乗りこみ車内は大にぎわい。お寺の前ではおばあちゃんが乗ってきたので、運転手さんは「足元に気をつけて、ゆっくり乗ってね」とひと声。おばあさんが座ってから発車しました。
 バス停ではないところで運転手さんがスピードを下げました。どうしてでしょう。それはバスに向かって手を振ってくれる子どもがいるからでした。  

   ピンポン。最後のお客さんが降りました。終点で折り返して街へ戻ります。帰りはどんな人が乗ってくるのでしょうか。
   物語に出てくるバスの運転手さんの優しく丁寧な対応はまさにプロ。乗客もみんな笑顔です。
   子どもたちにとって運転手さんのしぐさも気になるものですが、その時の気持ちが伝わる一冊だと思います。読む時は押しボタン(のような物)の用意も忘れずに。
               

千葉智晴(木育パパサークル「あきた木木遊び隊」)

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対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 竹下 文子/作 鈴木 まもる/絵
出版社 偕成社